文化祭準備期間で。彼は拘束時間後一旦自宅に戻って、部活のために再登校するときに、交通事故にあったのです。自転車と車。もう学校はすぐだったのに。美術部の準備で美術室に篭っていた私は、彼と同じテニス部の友人に、「事故にあったらしい」と聞き、でも軽くぶつかったくらいで、明日には「ははは、ぶつかっちゃったよ」なんて言って笑って出てくると、その時は思っていました。
けれど、彼は11月1日の朝6時に、息を引き取りました。手術の甲斐なく。輸血も大量にしたそうで、担任が言うには体中管が繋がれていた跡があったそうです。車の下から自分で這い出して来たのに。事故直後。
事故に遭う前、学校を出る前、拘束時間の学年展示準備中に、私は彼と本当にくだらないことを、ちょこっと、話しました。それだけに、なかなか飲み込めなかった。
中学2年のときの話です。年々記憶は薄れていくけれど、せめてなるべく覚えていたい。彼は「嫌いな人なんて、いない」と言っていたそうです。本当に、素でそんなことの言える人でした。10月31日と11月1日は、私にとって忘れられない日。
海が見たい。
PR