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話題にし忘れていましたが、昨日『雨と夢のあとに』を読み終わりました。これは数年前のテレビ朝日系列金曜ナイトドラマと連動で(メディアミックス)ドラマ、小説、歌、という展開をしていました。そのドラマが好きで。切なくてほんわかしてて、これ小説も読む!と思っていたのをようやく見つけて、読んだのでした。
主人公の雨ちゃんは、ドラマでは中学もしくは高校生でしたが、小説は小6生でちょっとびっくり。それにあたりドラマの友人役のもこみちはー、小説ではいないのかな。まぁ、いわずもがなですが小説とドラマ違うところいっぱい。でも基本は同じだから、ホラーっぽいところも。なんでホラーなのかと言ったら、雨ちゃんが幽霊と同居するからです。
今回は私の感想文らしくなく、バリバリネタばれしますが(いつもなぜか曖昧な、というか抽象的なことしか言ってなくてネタばれ、と言いつつ全然ネタばれしてない)、雨ちゃんと同居する幽霊は、お父さんです。そしてお隣のお姉さん。お父さんは昆虫写真家で、台湾に蝶の写真を撮りに、雨を残して行っていたのですが、穴に落ちて死んでしまって。でもお母さんのいない雨を残して一人で死ねなくて、幽霊となって、雨の元に戻ったんです。
お父さんが死んでいるとは夢にも思わない雨とお父さん朝晴の生活。でも徐々に不思議な不自然なことがあって。外務省から連絡があって、雨はお父さんが死んじゃったことを知ってしまって。それで、最後に、お父さんは49日までしかこっちに残れないから、最後の思い出に遊園地に行って、お別れ。という流れです。うわー、思いだすだけで泣ける。あのドラマ本当に好きだった。DVDBOX何度買おうと思ったことか。
小説もその流れ。小6生ということで雨ちゃん大分幼い。驚いたのは、舞台が恐ろしいくらいにウチの近所だ、ということです。どうして!?目がこぼれおちるかと思った。宮部みゆきならわかります、あの人同じ区だから、でも柳美里は?でもでも、本当びっくりするくらい詳細です。
ちょっとそれ、おかしいかな・・・というのはあるけれど。雨ちゃんの住んでるとこから学童保育のある場所とか。小説中に出てくる駅を実際私も使ってます。出口は違うけど、そこもたまに使います。本屋さんもたまーに行きます。最後の方で、通り沿いにあるお店がずらーっと羅列されてるところがあるんですが、その並び通りです。でも靴屋さんは4年前の記述なので、現在は喫茶店になってます。ちなみにその靴屋、中学の同級生のおじいちゃんのお店でした・・・とかね。本当びっくり。読めば水森はその辺に住んでるのか、ということがわかります。
とても静かな話です。全体に流れる空気は静寂です。それが余計に悲しい。終わりなんてすごくあっさりです。あ、泣きそう。好きな話です。是非、読んでみてください。文庫があります。